お兄ちゃんはいちご味
第10章 真っ赤な果実
「もし捺くんも果乃ちゃんのこと好きだったら…どうするの?」
風が麻くんの髪をなびかせてる
乱れた前髪で表情が見えない
「わかんない…」
「答えてよ」
「なんでそんな意地悪なこと聞くの…?」
「好きだから」
麻くんの真っ直ぐな瞳があたしを捕らえた。
「捺くんを食事にしてるんでしょ?」
「えっ…」
「噛み跡…服の隙間から見えちゃったんだよね。」
そう言って静かに妖しい笑みを浮かべる
「吸血鬼体質の人間は恋した相手の血に惹きつけられる。血を吸われた人間はその快楽の虜になる。もう抗うことはできないよ」
「麻くん…?」
麻くんの指がそっとあたしの髪に触れる…
「試しに俺に血、吸われてみる…?」