お兄ちゃんはいちご味
第10章 真っ赤な果実
いつもと違う麻くんが、見たこともない麻くんが怖い…
「そんなに捺くんが好きなら、このままずっと縛り続ければいい。
無理にでも何年も吸血し続ければ、捺くんは果乃ちゃんなしでは生きられなくなるんだから…」
「…どういう意味…?」
「…依存だよ。
吸血行為は回数を重ねるたび中毒性が高まる。
捺くんだって、このまま血を吸われ続ければ快楽の虜になるしかないもんね……」
麻くんが何言ってるのかわかんない…
「…できないの?」
「そんなの、できるわけないじゃんっ…」
麻くんの赤く光る瞳が、あたしを見つめる
「俺なら果乃ちゃんを無理矢理奪うことだってできるよ…?
このまま牙を突き立てて、血を吸って。
二度と俺から離れられないぐらい、めちゃくちゃにしてもいい……」