お兄ちゃんはいちご味
第11章 本心
「……っだから、お前が麻人といるとムカつくっつってんの」
そんなあたしに対抗するかのように乱暴に言い放った。
不機嫌な目であたしを見つめるお兄ちゃん
え…?
「な、なにそれ…」
違うって分かってる
分かってるけど、そんな顔したら期待しちゃうよ…
「どういう意味…」
「あ、ここにいたんだ」
あたしの声を掻き消したのは笑顔で駆け寄って来た麻くんだった
「探してたんだよ?」
「麻くんっ…」
「暑いしさ、一緒に海行きたいなって思って」
そう言ってにっこりと眩しいくらいの笑顔を向ける
チラリとお兄ちゃんの表情を伺うと、さっきより明らかに不機嫌な顔でこっちを睨んでいた。
「…あ、でも…」
「え?」
あたしの視線の先に気付き、麻くんはお兄ちゃんを見た
さっきまでの爽やかな笑顔が不適な笑みに変わる
「なに?捺くんも行きたいの?」
「…んなこと言ってねーし…」
「じゃあ果乃ちゃんが心配なんだ?」
「どーーでもいい。」
「そう?じゃあ俺と果乃ちゃん二人っきりで水着デートしちゃおっか♪」