お兄ちゃんはいちご味
第11章 本心
コツンッ
「…痛っ」
不安な表情を浮かべていたらいきなりデコピンされた。
「ばーか。あいつはそんな簡単に死なねーよ。
つか殺しても死ななそうだし(笑)」
お兄ちゃんは冗談混じりに笑ってみせる
お兄ちゃんのこんな柔らかい笑顔
久しぶりに見た気がする…
お兄ちゃんが笑うと、あたしの不安も和いでいく気がするから不思議
「足…痛む?」
「ん、大丈夫っ」
「ならいいけど。もっとちゃんと捕まってろ。落ちるぞ」
「う、うん…」
ぎゅっ…
お兄ちゃんの背中、思ったより広い…
こんな風にお兄ちゃんにおんぶされるの、いつぶりかな…
トクン…トクン…
背中越しに心臓の音が聴こえてしまいそう
こんな状況なのに、あたしの頭の中はお兄ちゃんでいっぱいになってる―――