お兄ちゃんはいちご味
第14章 噛み跡
そうだ、果乃は関係ない。
俺は果乃に…
無理矢理キスして、気持ち押し付けて
拒否されて
後悔してる。
なかったことにしたいぐらいに。
でもあの時、果乃に触れられて
どうしようもなく止まらなかった
止められなかったんだ
まるで俺の中の何かが暴れだしたみたいに
次は本当に止められそうにない。
だからもう、
もう俺は…
「果乃は妹。俺の彼女はゆりだから…」
夏休みが終わったら、ゆりとちゃんと恋人になろうって決めてた。
今度はちゃんと。もう迷いたくない
「捺…」
「…約束だったよな?」
「…ほんとにいいの…?」
「うん。今度は俺…ゆりの気持ちにちゃんと答えるから…」
「で、でも果乃ちゃんは…」
「ばーか。本気で俺のことシスコン変態野郎だと思ってんの?」
素直に喜ぶ様子のないゆりに冗談ぽく笑うと、ゆりも笑った。
これでいいんだよな。
これでもう、果乃は妹…
所詮俺と果乃は兄妹で
それ以上にもそれ意外にもなれない