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お兄ちゃんはいちご味

第14章 噛み跡




「…ゆりは俺のこと…今も好きでいてくれてんの…?」

「…う、うん…っ」

「じゃあいいよな?」

「…うん」



ゆりはまた恥ずかしそうに俯いた。

こんなしおらしいゆりは見たことない…
つーか割とまじでキャラじゃない

正直、調子狂う




「なぁ、今日家行っていい?」

「えっ家!?」

「うん。だめ?」

「き、今日は親いるし…!」

「じゃあ俺ん家は?」

「えっ」

「いいよな?」

「……な、捺……大丈夫?」

「…え…?」



ゆりは不審なものを見るような目で俺を見た。



「家に来いとか普段絶対言わないのに…乙女に何する気?」

「は…?別に何もしねぇよ」

「嘘だ。捺がそんなにがっついたタイプだったなんて…」



そう言ってわざとらしくか弱いポーズをしてみせる



「ちょっ…なんだよそれっ」

「…まあ別にいいけど〜」

「お前絶対信じてねーだろ!」

「捺くんの変態!狼!ケダモノ!」

「なっ…ふざけんな!!」



たしかに今まではずっと、ゆりが一方的に押しかけてきたり一方的に家に呼ばれたりで俺から誘ったことなんてなかったけど…

もう今までと違う関係になったわけだし、そんな警戒することかよ…?



別にそんなつもりで言ったんじゃないし

ただ、はやくゆりのことちゃんと好きにならなきゃって



俺、そんなにおかしい…?




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