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お兄ちゃんはいちご味

第15章 中毒症状




「じゃあパパ仕事行くから」

「うん、いってらっしゃい」



今日もいつも通りパパを送り出してお兄ちゃんと夜ご飯を食べる

小さい頃からずっと続けてきた事だけど、今はお兄ちゃんと二人きりになるのが憂鬱。




「果乃、何してんの?はやく食べろよ」

「…はーい…」



あたしはめちゃくちゃ気にしてるのに、まるで何もなかったように普通に話し掛けてくるお兄ちゃんがムカつく…



「…なに怒ってんの?」

「別に怒ってない」

「怒ってんじゃん。……そんなに俺の血吸いたいのかよ」

「なっ、違っ!…別にお兄ちゃんの血なんかいらないもん…」

「あっそ。ならいいけど」



お兄ちゃんは無言で次々とおかずに箸を伸ばす。



最近、なんかこんなのばっかりだ…

お兄ちゃんと喧嘩したいわけじゃないのに…



お兄ちゃんの血を吸いたい衝動を我慢するストレスが、あたしを苛立たせていた。

お兄ちゃんの顔を見るとついあからさまに嫌な態度をとってしまう。


ほんとはお兄ちゃんに、しょーがないなって、血吸ってもいいよって
言ってほしいのかもしれない。


またお兄ちゃんの優しさに甘えようとしてる…

ああ、あたしってほんとに自分勝手…




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