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お兄ちゃんはいちご味

第15章 中毒症状




「ほしい?俺のオリジナル抗中毒薬」

「うん…!」

「そっかぁ〜でも残念、ただではあげられないな」

「え…」

「だってアレ作るのかなり大変だし。色々と手間かかるし。」



そ、そんなぁ…!

高まった期待が一気に崩れる。



「条件付きならあげてもいいよ?」



麻くんがにやりと微笑んだ。



「わ、わかった…」

「いいの?」

「うん」

「じゃあ俺に血吸わせてよ」

「…えっ」



また血!?

やっぱり麻くん諦めてなかったんだ…



「そ、それはだめっ…!!やっぱり無理!!」

「え〜?こんなに言ってもだめなの?ほんと頑固だな果乃ちゃんは」



それでも麻くんは余裕の表情。



「麻くんは寿命短くなってもいいの…?」

「あはっ、またそれ?吸血鬼体質の時点でもともと普通より寿命長いんだから少しぐらい減ったって平気だよ」



それはそうかもしれないけど…



「麻くんのばかっ…」



なんだか悲しかった。

麻くんはまるで自分のことを全く大事にしていないみたいに思えたから。




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