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お兄ちゃんはいちご味

第16章 取り引き




あれから2週間がたった。


麻くんに貰った薬の効果は徐々に薄れ、またどうしようもない渇きがやってきていた――




「…ごちそうさま」

「えっもう終わり!?」

「うん、食欲なくて…」

「果乃最近ずっとお弁当残してるし…顔色悪いよ?大丈夫?」

「ん、大丈夫…えへへっ…」



精一杯の作り笑いを浮かべてみたものの、美子には通用しない



「全然大丈夫に見えないって〜っ!保健室行こ!連れてってあげるから!」

「う、うん…」



フラフラとした足取りで保健室へ向かう



あ、やば…

ほんとに具合悪い…

頭が、クラクラする……




不意に視界が歪んで、あたしは意識を失った。






――――――――…



「ん…」



目を覚ますと保健室のベッドの上だった。美子の姿はない。



やば…
もう午後の授業始まっちゃったかな…

まだクラクラする…




「…んっ……あ……」




その時、向かい側にあるベッドのカーテンの向こうから女子の甘い声が聞こえた。

隙間からチラリと見えたのは男子の制服…




「…っはぁ……んっ…あ……」

「あんまり声出しちゃだめだよ。隣で寝てる子いるんだから…」




…って、ちょっと待った!!

この声は…麻くん!!??

なっ…
学校で、しかも保健室のベッドで一体何を…!?



シャーッ



あたしは思わずベッドから飛び起きて向かいのベッドのカーテンを開けてしまった。




「あ、麻くん!!何やってんの!!ここ学校だよっ!?」

「…あれ、もう起きたんだ」




ベッドの上には女の子の上に覆いかぶさる体勢で血を吸う麻くんがいた。




「食事中だから邪魔しないでくれる?」

「あ、なんだ…血吸ってただけ…」

「え、何?もしかしてもっといやらしいこと想像した?」



にやりと不適な笑みを浮かべる麻くん



「いやそうじゃなくてっ…麻くんこそなんでこんなとこでっ…!」

「ちょ、ごめん。すぐ済ませるから待ってて」

「へ…!?」



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