お兄ちゃんはいちご味
第16章 取り引き
そう言うと再び女子の首筋に噛み付いた。
チュッ…チュル…
「…っふ……あぁ…麻人くっ……」
「…いい子だからもうちょっと静かにして」
たぶん2組だと思われる女の子は、脚をガクガクと震わせながら甘い声を漏らしている
麻くんはやけに冷めた声で囁いて、首筋に滲む血をすする
麻くんが血を吸うとこ、初めて見た…
あたしは思わず釘付けになっていた。
「…ん、ごちそうさま」
口元に付いたの血を舐め取りながら麻くんはベッドから降りた。
「その子はいいの…?」
「ん、あぁ…たぶんしばらく起きないしこのまま寝かせとけば大丈夫♪それより果乃ちゃん具合悪いんでしょ?ちゃんと寝てなきゃだめだよ」
麻くんはあたしをさっきまで寝ていたベッドに誘導する
「ねぇ、美子は?もう授業始まってるよね…?」
「クスッ。なーに言ってんの?もう放課後だよ?」
「え…?」
窓の外を見るとほんのり夕焼けに染まっていた。
うそ…!
あたしそんなに寝てたの…!?
「もうあの薬が切れてくる頃だもんね」
麻くんが静かにベッドのカーテンを閉める
「どう?そろそろ限界?」
「………」
「俺に血吸わせてくれたらまたあの薬あげるのに」