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お兄ちゃんはいちご味

第16章 取り引き




麻くんはリビングに入るなりあたしの制服に手をかける



「もうだめ。我慢できない」

「ちょっ、麻くっ…!」

「大人しくしてよ。分かる?俺、昼飯抜きなの。誰かさんのせいで…」



いつもの笑顔は一切見せず、けだるそうな表情でシャツのボタンを外していく

麻くん、やっぱり怒ってる…



「ご、ごめん…でも昨日だって吸ったし…」

「あんなんじゃ足りないよ…果乃ちゃん途中で気絶しちゃうし…あの後薬飲ませといたからもう平気だよね?」



そっか、それで今日はこんなに体調良いんだ…



「俺もう果乃ちゃん以外の血吸う気ないから。ちゃんと保健室来てくれないと困る…」



急に細い声になってあたしの首筋にキスを落とした



「あ、麻くん…?」

「果乃ちゃんはもう俺の…誰にも渡さない…」



そう言ってあたしを見つめる麻くんが、なんだかすごく心細そうに見えて
なぜか小さい頃を思い出した

いつもお兄ちゃんとあたしにくっついてきて
ちっちゃくて、女の子みたいに可愛くて泣き虫で

ずっと弟みたいに思ってた…

今でもやっぱり麻くんは麻くんなんだ。

なんだか急に昔に戻ったみたいな気がして、麻くんが愛おしく思えて
あたしはいつの間にか抵抗するのをやめていた



「やっぱここじゃ落ち着いて食事できないな…ベッド行こ」

「ふぇっ!?」



ぎゅっ


麻くんはあたしを抱き抱えてベッドに優しく寝かせた。
上から麻くんが覆いかぶさる



「ふふ…いい眺め」



ピチャ…



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