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お兄ちゃんはいちご味

第2章 いちご味




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気付いたら、もう放課後になっていた





「お、お兄ちゃん…大丈夫?死んでない?」

「…はぁ…はぁ………ん、生きてる………」

「…痛かった……?」

「………………」




お兄ちゃんは乱れたシャツと呼吸を整えて、あたしから目を逸らして言った。





「……俺、どんな味した?」




あたしは笑顔で答えた。




「お兄ちゃんは、いちご味!」




お兄ちゃんは、なんじゃそりゃ――みたいな顔をしてたけど



あたしが一番いちご味好きなの、知ってるでしょ?


お兄ちゃんはほんとに、とろけるように甘いいちごの味がしたんだ



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