
お兄ちゃんはいちご味
第3章 キャラメル味
俺、妹に食べられちゃいました。
捺です。
あれから一週間、俺は毎日果乃に血を吸われ…
いや、吸わせてる。
吸われてるっていうと、なんか女みたいなんで嫌なんで。
いや、吸わせてるのほうがむしろ……?
いや、そんなことはどうでもよくて…(ほんとはよくない)
俺のコンプレックスは、母親似のこの女顔。
この容姿にそこまで不満があるわけじゃないけど
内面ぐらいは男らしくなりたいとずっと思って生きてきたのに…
俺……
妹に血を吸われて、女みたいな声を出すなんて……!!
せめてむしろ普通逆っつーか…
色々とおかしいっつーか…ね…?
最悪に恥ずかしいのに、俺は…
果乃のためだと思うと、断れないでいる。
あの時は兄としてこれでいいと思ったから自ら血を差し出したくせに………
俺はやっぱり、今もまだ女々しいままなのかもしれない……
あぁ、せめていちご味じゃなくてブラックコーヒー味と言ってほしかった!
いや、ブラックコーヒーなんて俺には到底無理。
ならせめて、少しだけ苦いキャラメル味でいい。
