お兄ちゃんはいちご味
第5章 キスの感触
もしかして果乃のやつ…
あれから誰の血も吸ってないとか…?
俺が屋上でそんなことを考えていると、
「捺〜!帰ったんじゃなかったの?」
ゆりだ。
「帰らなくてよくなったから…」
「ふーん?……ねぇ、もしかして果乃ちゃん?」
「えっ!?」
「なにその反応…図星なんじゃん。」
思わず過剰反応してしまった俺にゆりは不機嫌そうな顔になる
「そうだよね捺は果乃ちゃんには優しいもんね!」
「別にそんなことねーし…」
「中等部の頃から、彼女いてもいっつも果乃ちゃんのことばっか心配してさ。シスコンもいい加減にしろっつの!」
「何怒ってんの?」
「別に怒ってないし…どうせあたしのことは彼女にしてくれないしさぁ」
俺はムキになってたのかもしれない
妹にドキドキしたり、意識したりしている自分をどうしても認めたくなかったんだ