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お兄ちゃんはいちご味

第6章 満月の夜





『妹としか思ってない』







決定的な一言を言われてしまった。




お兄ちゃんとキスをしたあの日から一ヶ月、お兄ちゃんの血は一滴も吸っていない

お兄ちゃんを見るとどうしようもない吸血欲求に我慢が出来なくなってしまうので、あたしはまた以前と同じくお兄ちゃんを避ける日々を送っていた



パパはいつもの喧嘩だと思って特に心配もしてないみたい。


たしかにあたしがこんな体質になる前は喧嘩してもすぐに仲直りしてたけど…


あれからお兄ちゃんは目も合わせてくれないんだ




それがすごく悲しくて、悔しくて

だから保健室にお兄ちゃんが来てくれたことが、すごくすごく嬉しくて




『お兄ちゃんはあたしとキスしたい?したくない?』





ついついあんな馬鹿なことを口走ってしまった。





妹としか思ってないなんて、
そんなこと言われなくても知ってるよ


だけど実際にお兄ちゃんの口からその言葉を聞いて、思っていたより遥かにショックを受けている自分がいた




今までずっと、お兄ちゃんの妹であることに満足していたし

妹としてあたしを可愛がってくれるお兄ちゃんが大好きだった



だけどいつの間にか、ただの妹なんかじゃ満足できなくなっていたんだ


あたし、もう今まで通りの妹じゃいられない…




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