
お兄ちゃんはいちご味
第6章 満月の夜
「キスはするなって言っただろっ…?」
「なんで…?」
お兄ちゃんは手で唇を覆いながら、目を泳がせている
「なんでって………兄妹だから…」
「兄妹じゃなかったらいいの?ゆりさんならいいの…?」
思わず涙が出てきた。
あたしは兄妹とか、もうどうでもよかった
「……妹としか見れないから…」
お兄ちゃんは目を逸らして、冷たく言った。
「あたしのこと嫌い?」
「…嫌いじゃない…けど……」
「じゃあ、あたしのごはんになってよ…」
あたしはもう一度キスをした。
お兄ちゃんの顔があたしの涙で濡れる
「果乃っ………」
「食事してるだけなんだから、黙っててっ…」
ああ、あたしはずるい
この体質を利用して、お兄ちゃんをあたしのものにしようとしてる
お兄ちゃんを独り占めしたい
ずっとずっと、そう思ってた…
お兄ちゃんに彼女ができるたび、
悔しくて切なくて
彼女が羨ましくて仕方なかった……
