お兄ちゃんはいちご味
第8章 血の味
♪〜♪〜〜
ん…夢……?
いつも通りの朝、俺は携帯のアラームで目を覚ました。
…昔の夢を見てた気がする
小さい果乃が泣いてて…
俺に抱き着いて離れなくて…
あれはいつのことだっけ…?
「お兄ちゃん、おはよっ」
「お寝坊さん捺くんの登場〜!」
リビングに降りると果乃と父さんがすでに朝食を食べていた。
朝方仕事から帰ってきて昼間寝てる父さんにとってはまあ、夕食なんだけど
「お兄ちゃん早くしないと遅刻だよ!」
「俺朝飯いらなーい」
「えっちょっと待ってよお兄ちゃん!」
玄関を出ようとすると、果乃が慌ててついて来た
「二人とも気をつけなよー」
「あ、パパ、いってきまーすっ」
「お兄ちゃん!待ってよ!」
「とろいから追いてく」
走って追いかけて来る果乃に意地悪に笑いながら悪態をつく。
昔から、果乃はいつもこうやって俺の後をついて来た。