お兄ちゃんはいちご味
第8章 血の味
昔から果乃は、誰もが目を引くぐらい可愛かった。
父さんによく似た黒い瞳に黒い髪、白い肌
明るくてノー天気なようでどこか掴めない独特な雰囲気は、まさに父さんそっくりで
そんな果乃は当然男子の興味の的。
そのせいで果乃は女子にあまり良く思われてないみたいで
その分、見事に父さんと俺にべったりな子になってしまったわけだ。
そんな果乃は、何をするにも俺の後をついて来た
果乃には俺がいてやらないと――
そんな風に思うようになった。
素直に俺を慕ってくれる果乃が可愛かったし、
いつしかそんな妹を守りたいと思うようになっていた
もちろん、兄として―――