『幼なじみ』
第15章 絆
白々と・・・
ぼんやりとした
街灯が
照らしている駐車場で・・・
怪しい人影が
居ないか・・・
確認を済ませた
拓弥は・・・
急いで・・・
車に乗り込み・・・
無造作に・・・
自分が
置き忘れた札束を・・・
ふと・・・発見する・・・。
「ヤベ・・・ルイ君!
今回・・・
調達してくれた分の金・・・
支払わねーと・・・!」
隣に座ったルイ君に
慌てて
話し掛けながら・・・
三十万もの金を
袋から取り出した
拓弥は・・・
息を整え・・・
感謝の気持ちを
込めながら・・・
ルイ君に・・・
そっと・・・
手渡してみる・・・。
ルイ君は・・・
「有難う・・・」
と・・・静かに頷き・・・
現金を・・・
そのまま受け取るが・・・
「もう・・・お互い・・・
こうゆうヤリ取りも・・・
これっきりにしようね・・・!」
と・・・
しっかりとした
口調で呟くと・・・
サッと腰を上げ・・・
ジーンズの後ろの
ポケットに・・・
素早く札束を・・・
ねじ込んでいる・・・。
拓弥も・・・
「もちろんっすよ!」
と・・・
大きく頷きながら・・・
余った現金を・・・
ダッシュボードに
仕舞い込むと・・・
勢いよく
車を発進させ・・・
ルイ君を・・・
無事に家まで
送り届ける・・・。
そして二人が・・・
「じゃ・・・
ルイ君また明日・・・」
「うん・・・また明日ね」
と・・・
お互い・・・
心中を察してか・・・
別れの挨拶を
手短かに済ませる・・・
さ中・・・
いつもの・・・
クラクションを
二回鳴らした
拓弥は・・・
東京連合が待つ・・・
芝浦のクラブへと・・・
気持ちも新たに
出陣して行った・・・。