『幼なじみ』
第15章 絆
すると・・・
そんな拓弥に対し・・・
一瞬・・・
悲しげな表情を
浮かべたルイ君が・・・
暫く・・・
何かを考えた様子を
見せたまま・・・
俯いてしまうが・・・
これ以上の押し問答は・・・
更に拓弥を
苦しめてしまうと
悟ったのか・・・
「うん・・・分かった・・・!
でも・・・
無理はしないって・・・
約束・・・だよ・・・?」
と・・・
優しく諭しながら・・・
元気よく掌を・・・
前へ差し出しかと
思うと・・・
可愛らしい
笑顔を浮かべ・・・
拓弥に・・・
握手を求めて来る・・・。
そんなルイ君の
気持ちに応える為・・・
掌をしっかりと・・・
握り返した拓弥は・・・
これから・・・
立ち向かわなければ
ならない・・・
東京連合という名の
大きすぎる闇に
飲まれないよう・・・
「ヨシッ!」と・・・
自分を奮い立たせ・・・
ペットボトルを・・・
しっかり手に取り・・・
お茶を一気に・・・
飲み干して行く・・・。
そして・・・
「さて・・・
行きますか・・・!!」
と・・・
元気よく・・・
ルイ君に声を掛けた
拓弥は・・・
母親が・・・
毎日忘れずに
置いてくれる
二千円を手にし・・・
いつも有難う・・・。
と・・・
心底母親に
感謝をすると・・・
清々しい気分で
自宅を後にし・・・
ルイ君と足並みを
揃えながら・・・
颯爽と・・・
駐車場へと
向かって行った・・・。