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『幼なじみ』

第16章  要塞



芝浦周辺に
到着した拓弥は・・・


湾岸道路裏手の・・・


埠頭の倉庫前に
ボルボを停め・・・


大きく伸びをし
静かに
煙草に火を点ける・・・。


これから
何が起こるのか・・・


不安で・・・
胸が潰されそうに
なるが・・・


自分で撒いた種だ・・・。


さっさとコトを
片付けて・・・


東京連合と一切
手を切らなきゃ
ならない・・・。


拓弥は・・・
ナーバスな気持ちを・・・
跳ね退けるよう・・・


勢いよく
車から飛び降り・・・


煙草を足で・・・
グシャっと
踏み潰し・・・


金髪の長い髪を
コンチョで一つに
結び直した後・・・


全身・・・
サーファーズ
ブランドで固めた
衣装を整え・・・


筋肉質で・・・
日焼けした
黒い肌に・・・


柑橘系の
香水をのせ・・・


ハ―――ッと・・・
大きく息を・・・
吐き出しながら
目を瞑り・・・


何度も・・・
両手で
頬を叩くと同時に・・・


今一度・・・
気合いを
入れ直した・・・。


そして・・・
拓弥は・・・


ゆっくりと・・・
車の後ろに回り・・・


トランクから
物(ブツ)の入った
茶封筒を取り出し・・・


きちんと
シワを伸ばした
紙袋に・・・
丁寧に仕舞い込み・・・


しっかりと・・・
胸に抱えながら・・・
砂利道を歩き出す・・・。


暫くして・・・


目の前を・・・
湾岸道路が
横切り・・・


横断歩道を挟んだ
向かい側には・・・


外壁に・・・
【club・gold】と
金色の文字で
小さく書かれた・・・


五階建ての
真っ黒なビルの・・・
そびえ立つ姿が・・・


いよいよ・・・
拓弥の目の中に・・・
入り込んで来た・・・。

















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