『幼なじみ』
第16章 要塞
この・・・
【club・gold】は・・・
五階建ての
ビル丸ごと一棟が・・・
なんと・・・
一つのクラブを
形成しているのだが・・・
週末ともなると・・・
中に入れない客で
クラブ周辺が
ごった返し・・・
VIPには・・・
芸能界やら・・・
各界の著名人が・・・
名を連ねる程の
盛り上がりを見せ・・・
そして・・・
いつしか・・・
お洒落な
遊び人達が・・・
毎夜集う・・・
このクラブに・・・
オールで・・・
遊びに行く事が・・・
時代を作る若者の・・・
ステータスに
なっていた・・・。
そんな究極に
弾けている
このクラブに・・・
拓弥も・・・
幾度となく・・・
足を・・・
運んでいたのだが・・・
見慣れたハズの・・・
目の前にある
真っ黒なビルからは・・・
いつもの・・・
【club・gold】らしい・・・
ワクワクする
ような・・・
煌びやかな
雰囲気は・・・
全く感じられず・・・
代わりに・・・
不気味な空気が
全体を包み込み・・・
その異様なまでの
迫力ある佇まいは・・・
まるで・・・
自分に向かって
立ちはだかる・・・
悪の要塞
さながらだった・・・。
じっと・・・
見上げていると・・・
気負いしそうになり・・・
ブルブルッと
激しい武者震いが
拓弥を襲う・・・。
そんな折・・・
大勢の一般客が・・・
各々今どきの
洒落た服装に
身を包み・・・
次々と・・・
【club・gold】の前に
溢れ出すと・・・
いつの間にか・・・
華やかな列を
作り出して行った・・・。