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『幼なじみ』

第19章  疑心



足早に
階段を駆け降り・・・


二人は漸く
踊り場に辿り着く・・・。


春斗は
掴んでいた腕を
サッと離すと・・・


かなり
不機嫌そうな拓弥に
向き直り・・・


「拓弥・・・


勝手に話・・・
進めてごめん・・・。


これには
深い訳があってさ・・・


取り敢えず
静かなトイレで話すよ・・・」


と神妙な面持ちで
詫びを入れてくる・・・。


春斗の
マイクパフォーマンスから
始まり・・・


今に至るまでの
状況を・・・


全く理解出来ない
拓弥は・・・


じっくり話を
聞きたかったが・・・


腕時計を確認すると・・・


もうすぐ
東京連合の
パーティーが・・・


始まりそうな
時刻を示している・・・。


仕方なく・・・


「手短に頼むわ・・・」


と一言だけ
春斗に告げ・・・


一目散に・・・
二階のトイレに
駆け込むと・・・


拓弥を追うように
春斗も足早に
トイレに入る・・・。


そしてまず
誰も居ない事を
確認し・・・


拓弥に
ゆっくりと
近付いて行き・・・


「口外厳禁ね・・・」
と静かに耳元で
囁くと・・・


漸く
今までのただならぬ
事情を・・・


冷静沈着に淡々と
話し始めた・・・。











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