『幼なじみ』
第19章 疑心
「拓弥・・・
今まで黙ってて
本当に悪いんだけど・・・
拓弥が今夜・・・
何故・・・
東京連合のパーティーに
関わってるのか・・・
実は俺・・・
全部知ってるんだ・・・」
何も知らないハズの
春斗の突然の
カミングアウトに・・・
頭の思考回路が
全て停止し・・・
拓弥は・・・
取り敢えず・・・
全てを
聞き終わってから
質問しようと・・・
春斗を凝視したまま
真剣に耳を傾ける・・・。
「えーっと・・・
何故知ってるかと
言うと・・・
今夜の東京連合の・・・
バースデーパーティーの
主役っていうか・・・
今日が誕生日の・・・
東京連合の幹部の人
っていうのが・・・
実は・・・
俺の兄貴なんだ・・・。」
拓弥は・・・
一気に目の前が
真っ白になり・・・
何とかトイレの壁に
全体重を預けると・・・
『気を確かに・・・
俺しっかりしろ!』
と心で念じながら・・・
かろうじて
目を半分開けたまま・・・
消えて
無くなりそうな
意識を・・・
どうにか
保っていた・・・。