
『幼なじみ』
第21章 回想
一瞬にして・・・
過去から現実に
引き戻された
あたしは・・・
美波の
言っている事が・・・
的を得ているように
感じてしまい・・・
自分の気持ちに
焦り始める・・・。
『まさか・・・あたし・・・
拓弥の事・・・好きなの・・・?!
違う・・・よね・・・?!』
拓弥との
淡い思い出に
浸るばかり・・・
【拓弥の事が好きだ】と・・・
酔っ払った頭が
混乱しただけ・・・。
そう・・・何度も
自分に言い聞かせるが・・・
何故かあたしの胸は
ドキドキと高鳴り・・・
暫く
落ち着きそうもない・・・。
すると・・・
考え込むあたしを
見つめながら・・・
「悠希さ・・・取り敢えず・・・
物思いにフケるの・・・
後回しにしてくんない・・・?
今は・・・
ちゃんと拓弥君の事
話してよねッ・・・!!」
と・・・
イライラした
美波が・・・
怒号を
浴びせてくる・・・。
「あッ!ご・・・ごめんね・・・?
あ・・・あたし・・・別に・・・
拓弥の事・・・
す・・・好きとかじゃ
なくて・・・
あの頃は・・・二人共・・・
子供だったなぁ・・・って・・・
懐かしんでた
だけだよ・・・?
み・・・美波・・・?
そんなテンパらないで・・・?」
あたしは
明らかに動揺すると・・・
完全に口ごもった・・・。
