
『幼なじみ』
第21章 回想
暫く沈黙が続く
重たい空気の中・・・
美波が俯きかげんで
口を開く・・・。
「悠希・・・
えっと・・・
あたしさ・・・
拓弥君の事になると・・・
テンパっちゃう
みたいでさ・・・
悠希は全然
悪くないし・・・
あたしの為に
拓弥君の話
してくれてるのに・・・
馬鹿みたいに
勘ぐって・・・
マジ・・・ごめんね・・・?」
黙りこくっている
あたしに・・・
美波が不安げな
表情を浮かべながら・・・
自分の浅はかさを
懺悔する・・・。
しかし・・・
謝ってくれた
美波に対し・・・
拓弥の事を
好きかどうか・・・
未だ自分の気持ちが
ハッキリしない
あたしは・・・
苦笑いするしか
出来なかった・・・。
すると美波は・・・
あたしに
ちゃんと
許してもらえてない・・・。
と・・・
勘違いしたらしく・・・
「悠希・・・
もう怒んないでーー!
あたしが
悪かったからさ・・・!
機嫌直して・・・
拓弥君の話の続き
聞かせて・・・?
お願いッ・・・!」
と・・・
顔をくしゃくしゃに
しながら・・・
頭を下げてくる・・・。
そんな美波が
無性に愛おしくなった
あたしは・・・
頭を上げさせると・・・
明るい笑顔を
作りながら
美波を見つめた・・・。
