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『幼なじみ』

第21章  回想



そして・・・


「じゃぁさ・・・
この酒・・・景気付けに
一気に飲んじゃおッ!」


と・・・美波が
足元に置いてある
ラムコークを
あたしに手渡してくる・・・。


にっこり
微笑みながら
受け取ったあたしは・・・


「せーの!」


と掛け声をかけ・・・


そのまま・・・
真っ黒な液体を
喉の奥へと流し込む・・・。


その様子を
見届けた美波も・・・


負けず劣らず・・・
アッと言う間に
飲み干すと・・・


「ハァーーー!
また今日も
酔っ払いだね・・・?


あー早く・・・
拓弥君に
会いたいんですけどぉ・・・


ねぇ・・・悠希・・・?


ほんとに拓弥君と
付き合う事になっても・・・


大丈夫・・・だよね・・・?


応援してくれるよね・・・?」


と・・・
あたしに向かって・・・


最終確認とばかりに
念を押してくる・・・。


「美波・・・?


あたしたち・・・
大・大・大親友だよね・・・?


幼なじみの拓弥と・・・


あたしにとって
大事な美波が
付き合ったら・・・


凄く嬉しいに
決まってるでしょ・・・!


そんな心配より・・・
もう拓弥
こっちに来てるかも
しれないし・・・


早く・・・
此処から出て
探しに行った方が
良いんじゃない・・・?」


あたしは・・・
美波の背中を後押し
すると・・・


目を輝かす美波の
腕を掴み
立ち上がらせ・・・


出入口に向かって
歩いて行き・・・


そのまま
VIPルームの
重たい硝子の扉を・・・


ゆっくりと手で押した・・・。










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