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『幼なじみ』

第22章  詐称



「キ・タ・ミ・・・さん?
で・・・良いんですか・・・?」


名刺をサッと・・・
受け取った美波は・・・


印刷されている名前を
素早くチェックし・・・


声に出して確認する・・・。


そして・・・


あたしにも・・・
その名刺を
チラっと見せると・・・


スッカリ安心した
表情を浮かべながら・・・


「すごーい!
慶応なんですね・・・!


めちゃめちゃ
頭良いじゃないですか・・・?


【ブラックボックス代表】
って肩書きに書いて
ありますけど・・・


これって・・・
大学のサークルですか・・・?」


と・・・嬉しそうに・・・
立て続けに質問している・・・。


『あ~あ・・・


美波ったら・・・
拓弥を探さなくて
良いのかなぁ・・・』


そんなあたしの
心配をヨソに・・・


二人の会話は・・・
瞬く間に・・・
盛り上がって行く・・・。


「えーっと・・・俺・・・


喜多見・・・って言います・・・。


二人とも・・・よろしくね・・・!


大学は・・・慶応だけど・・・


幼稚舎から・・・
エスカレーター式に
進級したから・・・


殆ど勉強してない・・・
っていうか・・・


別に頭は良くないよ・・・?


アハハハ・・・


それと・・・
【ブラックボックス】
っていうのはね・・・?


君の推察通り・・・


大学で俺が立ち上げた
サークルなんだ・・・


あッ!


もし良かったら・・・


君たち二人の
名前だけでも
教えてくれない・・・?」


すると美波は・・・


咄嗟にヨソ行きの
顔を作ると・・・


あたしの了解を
得ることなく・・・


勝手に自己紹介を
始めてしまった・・・。

















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