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『幼なじみ』

第22章  詐称



しかし・・・


徐々に・・・あたしは・・・


ペラペラと・・・
言葉巧みに話す
喜多見に・・・


何とも言えない
違和感を覚え始める・・・。


『んッ・・・?!


なんか・・・この人・・・
笑う時・・・


口は大きく・・・
開けてるけど・・・


目が全然・・・
笑ってないよ・・・ね・・・?』


最初の温かな印象とは
うって変わって・・・


冷酷さを漂わせる
喜多見の笑顔に・・・


【コイツには気を付けろ】


と・・・
あたしの女の勘が
透かさず警鐘を鳴らす・・・。


「ねぇ・・・美波・・・?
盛り上がってる所・・・
悪いんだけど・・・


名刺も貰った事だし・・・


そろそろ・・・
ちゃんと・・・人探さない・・・?」


あたしが・・・
この男の本性に
気付いてしまった事を・・・


悟られないよう
静かに呟き・・・


美波が・・・


「うん・・・!そだね・・・!


あッ・・・喜多見さん・・・!


あたしたち・・・


そろそろ
人探し再開しま~す・・・!


で・・・
悪いんですけど・・・


この後・・・四人で飲む話・・・


ケースバイケースでも
良いですか・・・?」


と・・・
喜多見の誘いを
蔑ろにした瞬間・・・


あたしは・・・


一瞬・・・
喜多見が浮かべた・・・


人でも殺しそうな・・・
怒りに満ち溢れた表情を・・・


決して・・・
見逃しはしなかった・・・。














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