
『幼なじみ』
第22章 詐称
「エッ・・・?!
何か二人とも・・・
急に冷たくない・・・?!
まぁ・・・いいや・・・
じゃあ・・・
俺は・・・一先ず退散して・・・
自分の用事が済んだら・・・
もう一度・・・
顔出してみるよッ・・・!
もしその時・・・
都合ついたら・・・
是非・・・
俺と飲んで欲しいな・・・!」
鬼の形相から一変して・・・
柔らかい笑顔で答える
喜多見に対し・・・
あたしは・・・
騙されるものかと・・・
睨みを利かせ・・・
一瞬たりとも・・・
目を離さないでいたが・・・
ほろ酔い加減の美波は・・・
全く疑う様子を
見せないまま・・・
「はーい!
了解でーす・・・!
つか・・・
言いづらいんですけど・・・
あたしたち・・・
探してる人が
見つかったらぁ・・・
今日は・・・
その人と・・・
飲むつもりなんですよ・・・。
だから・・・今度・・・
名刺に書いてある
電話番号に
連絡するんで・・・
良かったら・・・
別の日に・・・
二人で飲みにでも
行きませんか・・・?」
と・・・
拓弥の誘いは
優先しつつも・・・
何故か・・・いきなり・・・
喜多見を誘ってしまう・・・。
すると・・・
にわかに・・・
何かを企んだ
顔つきになった
喜多見は・・・
「フッ・・・了解・・・
じゃぁ・・・また後で!」
と・・・
手短に挨拶を済ませ・・・
サッとあたしたちに
背中を向けると・・・
瞬く間に・・・
この場から・・・
立ち去って行った・・・。
