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『幼なじみ』

第23章  罠



しかし・・・


何より・・・今は・・・


悠希が・・・
一番の気掛かりである
拓弥は・・・


このまま・・・
時間だけが
過ぎていく事に・・・


猛烈な焦りを
感じ始める・・・。


『あー俺ッ・・・!
何やってんだよッ!


自分の事より・・・
まず・・・悠希だろ・・・?


頼むッ・・・!悠希・・・!


東京連合と・・・
関わらないで・・・


大人しく・・・
待っていてくれッ・・・!』


悠希の無事を・・・


ただ闇雲に・・・
祈ってみるが・・・


何も
変わりはしないと・・・


咄嗟に・・・
諦めた拓弥は・・・


『つか・・・もう・・・
此処まで来たら・・・


行動あるのみ
じゃねーかよッ・・・!


グダグダ
言ってねーで・・・


・・・行くぞッ・・・!!』


と・・・
今一度・・・
自分に喝を入れ・・・


どこかの
正義のヒーローにでも
変身したかのように・・・


気合い十分の表情で
背筋を伸ばす・・・。


そして・・・


とにかく・・・
悠希を探し出そうと・・・


握り潰していた
喜多見の名刺を・・・


グリグリと
短パンのポケットに
仕舞い込み・・・


パッと勢いよく・・・
顔を挙げ・・・


正面のバーカウンターに
目をやった・・・


その瞬間・・・


丸椅子が並ぶ・・・


コの字型の
カウンター席に・・・


漸く・・・


探し求めていた・・・


眩いばかりの
女の姿が・・・


拓弥の目に・・・
写り込んだ・・・。













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