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『ゆ･･･悠希ッ･･･？！』


此処からは･･･
だいぶ距離がある･･･


正面の
バーカウンターに･･･


悠希らしき女の姿を
見掛けた拓弥は･･･


とにかく･･･
急いで･･･


その女が･･･
悠希本人かどうかを･･･


確認する為･･･


周りの目は一切
気にせず･･･


一先ず･･･
その場で･･･


ありったけの声で
叫んでみる･･･。




「悠希ーーーーッ！！」



しかし･･･


その声は･･･


フロアに溢れ返る･･･


多くの人間の
歓声と･･･


心地よく流れる
ハウスの音に･･･


当然の如く
掻き消され･･･


悠希らしき女の耳に･･･


全く･･･
届いた様子は無い･･･。


「クソッ･･･！」


ハヤる気持ちを
押さえようとするも･･･


東京連合から
悠希を守る。という･･･


使命感に
燃えたぎっている
拓弥は･･･


いきなり･･･


目の前の人混みに･･･


勢いよく
ダイブしたかと思うと･･･


フロアで･･･
酒を交わしながら
談笑する･･･


VIPと呼ぶに
相応しい･･･


ハイセンスな大人達を
グイグイ掻き分け･･･


その眩いばかりの
女が佇む
バーカウンターへと･･･


猛スピードで･･･


突き進んで行った･･･。