テキストサイズ

『幼なじみ』

第25章  猛省



暫く・・・
重たい空気が
流れる中・・・


悠希は・・・


下を向いたまま
動かない拓弥を・・・


悲しみに満ちた表情で
見つめている・・・。


しかし・・・
何かを・・・
固く決心したのか・・・


拓弥から目を反らし・・・
背を向けると・・・


走馬灯のように・・・


スーッと・・・
何処かへ・・・
消えて行ってしまった・・・。


そんな・・・
悠希の後ろ姿を・・・


ただ呆然と・・・


眺める事しか
出来ない拓弥は・・・


追いかけなきゃ
マズイだろッ!と・・・


自分に喝を
入れてはみるものの・・・


余りのショックからか・・・


体が全く・・・
言うことを
聞いてくれず・・・


慌てて・・・
目の前の
バーカウンターに・・・


なだれ込むように
避難する・・・。


『悠希・・・
行かないでくれ・・・』


藁をも掴む思いで・・・


何度も心の中で
切望してみるが・・・


今この時を
逃したばっかりに・・・


大切な悠希には
二度と会えないまま
悲しんでいる・・・


そんな・・・
切ない・・・
未来の自分の姿が・・・


段々と・・・リアルに・・・


脳裏に
浮かんできた拓弥は・・・


「このままで・・・
良いわけねーだろ・・・」


と・・・思わず・・・
独り言を呟くと・・・


遅ればせながらも・・・


急いで・・・
悠希を発見する為・・・


人目も憚らず・・・


その場で・・・


マサイ族のように
勢いよく・・・
ジャンプを繰り返し・・・


血眼になって
辺りを見渡した・・・。













ストーリーメニュー

TOPTOPへ