
『幼なじみ』
第25章 猛省
そして漸く・・・
視線の先に・・・
真っ直ぐ
出入口へ向かう・・・
悠希の後ろ姿を
見つけた拓弥は・・・
咄嗟に・・・
脇目も振らず
人混みに
飛び込んで行く・・・。
すると・・・
何事か・・・と・・・
フロアに
溜まっている輩たちが・・・
すぐさま・・・
好奇の視線を
送ってくるが・・・
無我夢中の拓弥は・・・
全く気にも止めず・・・
『頼む・・・悠希・・・!
もう一度・・・俺に・・・
チャンスをくれ・・・!』
と・・・
がむしゃらに
祈りながら・・・
前へ・・・前へと・・・
ガンガン
突き進んで行った・・・。
しかし・・・
何も知らずに
歩き続ける悠希は・・・
もう既に・・・
フロアを通り過ぎ・・・
その先の・・・
細長い通路に
足を踏み入れており・・・
焦った拓弥が・・・
「悠希――――ッ!」
と・・・
大声で名前を
叫んでみるものの・・・
またしても
その声は・・・
フロアの雑音に
掻き消されてしまう・・・。
そんな・・・
八方塞がりの
今の状況を・・・
何とか打破すべく・・・
最後の力を
振り絞り・・・
悠希の体に
触れられそうな所まで・・・
漸く・・・
辿り着いた拓弥は・・・
猛ダッシュで
悠希を追い抜き・・・
驚き・・・立ち止まる
悠希の目の前で・・・
いきなり・・・
正座をすると・・・
なんと・・・
成り振り構わず・・・
勢いよく下を向き・・・
そのまま・・・
土下座した・・・。
