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『幼なじみ』

第26章  偵察



「なるほどね・・・


漸く・・・喜多見・・・


尻尾を出して
来たって訳だな・・・。


春斗・・・
色々・・・サンキューな・・・。


ん・・・でさ・・・
悪いけど・・・
コレ・・・見てくれよ・・・。


マジさ・・・早いトコ・・・
春斗の兄貴に・・・


この物(ブツ)・・・
どうすりゃいいか・・・


絵・・・描いて
もらわねーとマズくね・・・?」


さっきまで
意気消沈していた
拓弥だったが・・・


春斗の
収穫ある土産話の
お陰で・・・


スッカリ正気を
取り戻し・・・


ずっと気になって
仕方のない・・・


右手に持っている
薬物入りの紙袋を・・・


ゆっくりと・・・


春斗の目の高さまで
持ち上げる・・・。


すると・・・春斗は・・・


一瞬・・・
怪訝な表情を
浮かべるも・・・


その紙袋を凝視し・・・


突然・・・
堰を切ったように
声を挙げた・・・。


「喜多見さんに
頼まれた物(ブツ)って・・・
こ・・・これかよッ・・・?!


ちょ・・・ちょっと・・・
貸してッ・・・?!



ウワッ・・・!


結構・・・重たいじゃん・・・!




つかさ・・・拓弥・・・?


もちろん・・・
兄貴は・・・


拓弥の事・・・
悪いようには
しないけどさ・・・


薬物・・・絡むと・・・


色々さ・・・


面倒な事ばっかり
起こると思わない・・・?


だから・・・


この・・・
喜多見さんの一件が
片付いたら・・・


クスリから足洗ってさ・・・


全うに生きてよ・・・ね・・・?


まッ・・・
俺に言われたくないか・・・
ハハハ・・・」


春斗は・・・


勝手に取り上げた
薬物入りの紙袋を・・・


スッと・・・
拓弥の胸の前に
差し出すと・・・


温かい笑顔を浮かべ
此方を見つめた・・・。













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