
『幼なじみ』
第26章 偵察
そんな・・・
にわかに
上の空な拓弥を
気にはしながらも・・・
勢いが止まらない
春斗は・・・
スーッと
大きく息を吸い・・・
続けて喋り出す・・・。
「で・・・!
梨香を
ナンパした以外は・・・
喜多見さん・・・
特別・・・
怪しい行動も・・・
とらなくてさ・・・
ただ・・・ちょっと
気になったのは・・・
さっき・・・
俺がマイクで・・・
VIPのパーティーを
拓弥がプロデュースする
って言ったからだと
思うんだけど・・・
暫く・・・
喜多見さん・・・
キョロキョロ
しながら・・・
部屋の中をグルグル
動き回っててさ・・・。
多分・・・拓弥のコト・・・
探してたんじゃないかな・・・?
まぁ・・・そんな・・・
気にすんなって・・・!
で・・・結局・・・
喜多見さん・・・
その後は・・・
何事も無かった
みたいに・・・
サッサと・・・
VIPルームから
出てっちゃったんだけど・・・
で・・・俺は・・・
虫の知らせって言うか・・・
中々現れない
拓弥のコト・・・
急に・・・心配になってさ・・・
VIPルームから
慌てて出てったら・・・
スゲー偶然に・・・
拓弥に会えたって訳・・・!
行き違いにならなくて
良かったよ・・・!
つか・・・マジ・・・
兄貴がテンパる前に・・・
そろそろ・・・
VIPに顔出そッ・・・!」
漸く・・・
言いたいことを
全て言い終えた様子の
春斗は・・・
ボサボサの髪を
結び直した・・・
とっくに
気合いの入っている拓弥を
急かし始め・・・
二人は・・・直ちに・・・
お互いの信頼性を
目で再確認すると・・・
ズンズンと勇み足で・・・
右側のVIPルームに
向かって行った・・・。
