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『幼なじみ』

第27章  待機



「春斗ッ・・・?!

追わなくて・・・
平気なのかよ・・・?!」


心配した拓弥が・・・
慌てて春斗に
声を掛けるが・・・


毅然とした態度を
貫く春斗は・・・


何も気にしてないよ・・・?
とばかりに・・・
笑顔で話し出す・・・。


「いいの・・・いいの・・・!


あーやって・・・
不貞腐れんの・・・
梨香のいつもの手だし・・・


いちいち・・・
気にしてらんないっしょ?


後で・・・ちゃんと・・・
フォローしとくしさ・・・。


まぁ・・・それに・・・
アイツ・・・
喜多見さんに騙されて・・・


レイプされるような
柔な女じゃないしね・・・?


拓弥が・・・
心配しなくても
全然大丈夫だってッ!


それより・・・
兄貴とハチ合わせして・・・


こんな所で
油売ってんの見られたら・・・


それこそ
怒鳴られるかもよッ・・・?!


良いから早く・・・
左側のVIPルームに行こッ!」


強気な発言を
捲し立てながら・・・


此処から早く出ようと
催促する春斗は・・・


動揺している自分を
隠すかのように・・・


突然・・・
スッと拓弥の前に
割り込み・・・


先に・・・
重たい硝子の扉を
グイッと押し開け・・・


隙間からスルリと
出て行ってしまう・・・。


そんな・・・
春斗に出遅れまいと・・・


右手に持っている・・・
薬物入りの紙袋を
今一度・・・
しっかりと握りしめ・・・


気合いを
入れ直した拓弥は・・・


続いて・・・
扉を押し開けると・・・


淫靡な空気が・・・
充満している
右側のVIPルームから・・・


漸く・・・
足を一歩踏み出した・・・。
















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