『幼なじみ』
第28章 脅威
そして・・・
その暴力的な強い力に・・・
体がグニャリと
仰け反ってしまった
拓弥は・・・
驚く間もなく・・・
振り向きざまに・・・
ハッと顔を上げる・・・。
すると・・・
そこには・・・
全く見たことのない
大柄で強面の・・・
丸坊主の男が・・・
獲物を漸く
捉えたような
凄まじい形相で・・・
ギロリと拓弥を
睨み付けていた・・・!
「なッッ!何スカッ・・・?!」
おののく拓弥を・・・
真上から見下ろし・・・
眉間に深いシワを
寄せながら・・・
その大柄の男が・・・
ドスの効いた低い声で
冷淡に喋り出す・・・。
「お前・・・拓弥だろ・・・?
俺かァ・・・?
春斗の兄貴だよ・・・。
んじゃぁ・・・
喜多見の件・・・
一部始終・・・
話してもらおうか・・・。」
突如現れた・・・
春斗の兄貴に圧倒され・・・
頭の中が
急激に真っ白になり・・・
まな板の上の
鯉の如く・・・
口をアワアワと
開けたまま・・・
空気を吸う以外・・・
何も出来ない
無抵抗な拓弥に対し・・・
正に極悪非道の
ヤクザを彷彿させる
春斗の兄貴は・・・
此処で会ったが
百年目とばかりに・・・
薄気味悪く・・・
ニタッと笑ったかと
思うと・・・
顔面蒼白の拓弥を・・・
そのまま無理矢理・・・
左側のVIPルームの
ドアの前まで
連れて行き・・・
今度はいきなり・・・
拓弥の胸ぐらを
えぐるように・・・
豪快に掴み始めた・・・。