『幼なじみ』
第30章 目撃
『フゥ~
み・・・美波・・・
あの・・・怪しい・・・
喜多見さんと・・・
一緒なんだ・・・
どッ・・・どうしよう・・・!
きっと・・・
拓弥から余計な話・・・
聞かされて・・・
ヤケに・・・
なっちゃったんだ・・・。
早く・・・探さなきゃ!』
徐々に・・・
冴えてきた頭の中が・・・
美波がかなり
マズイ状況に
置かれていると漸く認識し・・・
慌てふためいたあたしは・・・
美波を見つけようと・・・
瞬時に気持ちを
切り替えながら・・・
辺りを見渡せる
人気のない壁際に・・・
無事に辿り着く・・・。
そして・・・
手にしっかりと
握っていた・・・
これでもかと
言わんばかりに・・・
キンキンに冷えた水の・・・
ペットボトルの蓋を
グリグリと回し開け・・・
喉をゴクゴク
鳴らしながら・・・
イッキに飲み干し・・・
その水のお陰で・・・
気持ちまでも
潤い始めたあたしが・・・
徐々に・・・
落ち着きを取り戻し・・・
今一度・・・
美波の捜索を
再開しようと・・・
気合いを入れつつ・・・
決意した・・・
その瞬間・・・
なんと・・・!
ベッタリと・・・
男に寄り添いながら・・・
潤んだ目で・・・
甘えた声を出しまくる・・・
酔っぱらった様子の
何とも妖艶な美波が・・・
あたしに・・・
全く気付く事なく・・・
目の前を・・・
堂々と・・・
通りすぎて行った・・・。