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『幼なじみ』

第31章  遭遇



そして・・・


歩みを止めない・・・
二人の背中を
追うように・・・


フロアの壁際へ
向かおうと・・・


勢いづいたあたしに・・・


パッと振り返った
喜多見が・・・


早く行こうよ!
とばかりに・・・
前へ進もうとする・・・
美波を宥めながら・・・


心配そうに・・・
大声で話し掛けて来る・・・。


「悠希ちゃ~ん!
大丈夫~?!


早くおいで~!」


そんな・・・
あたしを気遣う
喜多見の態度が・・・


余程・・・
気に食わないのであろう・・・


喜多見同様・・・
パッと一瞬・・・
振り返った美波の顔は・・・


今まで・・・
見たことの無い程の・・・
凄まじい鬼の形相で・・・


明るく喜多見に・・・
返事をしようと・・・
声を出し掛けた
あたしの心を・・・


執拗以上に・・・
ざわつかせる・・・。


『美波・・・


そんな目で・・・
見ないで・・・よ・・・


あたし・・・


男より・・・
友情取るに・・・
決まってるじゃない・・・


とにかく・・・
少し・・・落ち着いたら・・・


きちんと美波と・・・
向き合わなきゃ・・・』


無性に泣きたくなる
気持ちを・・・
押し殺したあたしは・・・


二人に向かって・・・
にこやかに片腕を上げ・・・
手を振ると・・・


仕方なくも
それなりに・・・
腹をくくりながら・・・


二人が待つ・・・
壁際の方へと・・・
歩き出した・・・。
















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