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『幼なじみ』

第33章  救済



「どいて!どいてッ!!」


「喧嘩ッ!!
スゲー喧嘩だってよッ!」


「マジかよーッ?!
誰か殺られたのかよッ?!」


「エーッ?!
東京連合
関わってんのッ?!」


「殺られたヤツ
生きてっかねッ?!」


「チョーヤベーッ!
早く見に行こうぜッ!!」


物々しい会話を・・・
激しく・・・
繰り広げる・・・


突然に・・・
狂い咲いたような・・・
群衆の花に追いやられ・・・


唖然としたまま
階段の隅で・・・
固まるあたしに・・・


カッと・・・
大きく目を
見開いた梨香が・・・


興奮した面持ちで
声を荒げる・・・。


「ちょっとッ!
ごめんッ!!


アタシ行かなきゃッ!


悠希ちゃんは・・・
危ないから・・・


警察来る前に・・・
先に帰んなよッ・・・?!


分かったッ?!」


いきなり・・・
噛み付くように・・・
訴えてくる・・・


梨香の勢いに・・・
飲み込まれながらも・・・


冷静さを・・・
にわかに取り戻した
頭の中が・・・


ふと・・・あたしを・・・


悪い予感へと・・・
導いて行く・・・。


『た・・・拓弥ッ・・・


ひょっとして・・・
巻き込まれたんじゃ・・・』


即座に・・・
いたたまれなくなった
あたしは・・・


心配してくれている
梨香をヨソに・・・


高鳴る胸の鼓動に
呼吸を合わせ・・・


勢い良く口を開く・・・。


「リッ・・・


梨香ちゃんッ!!
あたしも・・・
一緒に行くッ!!


取り敢えず・・・
急ごッ・・・!!」


しっかりと・・・
アイコンタクトを
取り合った・・・
あたしたちは・・・


目に見えない・・・
不安な気持ちを
抱えながら・・・


走り去って行く・・・
野次馬根性丸出しの
輩たちの後を・・・


只ひたすらに・・・
追い掛けて行った・・・。

















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