『幼なじみ』
第33章 救済
すると・・・
突然に・・・
気を許した
あたしの気持ちを・・・
またしても・・・
瞬時に察したのか・・・
階段を降りながら・・・
綺麗な黒髪を
なびかせる梨香が・・・
優しく・・・
あたしに微笑みかけ・・・
ゆったりと口を開く・・・。
「悠希ちゃんさぁ・・・
やっと・・・
梨香のコト・・・
信じてくれた
みたいだね・・・?
良かったぁ・・・
うちら・・・
イイ友達に・・・
なれそうじゃない・・・?
フフ・・・
とにかくさ・・・
今日は・・・
ゆっくり寝て・・・
元気出しなよぉ・・・?
梨香ぁ・・・
携帯持ってるし・・・
名刺の裏に・・・
携帯の番号も・・・
書いてあるから・・・
いつでも・・・
連絡待してよぉ・・・ね・・・!」
「うん・・・分かった・・・
梨香ちゃん・・・
ホントに有難う・・・!
必ず・・・連絡するね・・・!」
温かい梨香の言葉に
すっかり癒され・・・
人は見掛けには
よらないんだ・・・と・・・
闇雲に・・・
梨香を信じようとする
あたしに向かって・・・
穏やかな表情を
浮かべる梨香が・・・
キラキラと潤んだ瞳で・・・
ウインクを・・・
投げ掛けようとした・・・
その瞬間・・・
上の階から・・・
物凄い勢いで・・・
階段を・・・
駆け降りて来る・・・
無数の輩たちの・・・
悲鳴に近い・・・
怒涛の如く・・・
荒れ狂う声が・・・
ハッとし・・・
動きを止めた・・・
あたしと梨香の耳に・・・
突然激しく・・・
こだました・・・。