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『幼なじみ』

第34章  迷走



先程・・・


左側の・・・
淫靡なVIPルームを
後にした・・・


春斗の兄貴の・・・
背中を追うように・・・


緊張の面持ちで
部屋を出た・・・
拓弥の後ろを・・・


ピッタリと・・・
張り付いて来た
春斗が・・・


冷静さを・・・
取り戻したのか・・・


落ち着いた声で・・・
静かに・・・
話し掛けて来る・・・。


「なぁ・・・拓弥・・・?


俺さ・・・とにかく・・・


屋上に続く・・・
一階の非常階段の・・・
入り口付近で・・・


拓弥の帰り・・・


必ず・・・
何があっても・・・
待ってるから・・・。





もう一度・・・
確認の為に話すけど・・・


拓弥が・・・
今持ってる薬物・・・
ごっそり全部・・・


屋上で・・・
喜多見さんに渡して・・・


焦らず・・・


喜多見さん主催の
パーティーの詳細
聞いてくれば・・・


一段落・・・
着くんだから・・・


簡単でしょ・・・?





ただ・・・
喜多見さん・・・
普通に見えても・・・


中身は・・・
キチガイなんだし・・・


絶対に・・・
下手な動きは・・・
しないでよ・・・?


拓弥・・・?
約束・・・なッ・・・?!」


本当に・・・
心の底から・・・
身を安じてくれて
いるのだろう・・・


背後から正面に回り・・・
足を止め・・・
此方に向き直りながら・・・


真剣な眼差しで・・・
見つめてくる・・・


ひたむきで・・・
友達思いの春斗を・・・


とにかく早く・・・
安心させて
あげたくなった・・・
拓弥は・・・


絶対に・・・
失敗は出来ないと・・・
気合いを入れ直し・・・


腹を据え・・・
コクリと・・・
無言で頷くと・・・


温かい表情で・・・
静かに口を開いた・・・。
















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