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カンカンカンッ･･･


カンカンカンッ･･･


天井に向かって
真っ直ぐ
伸びている･･･


固い金属製の･･･
非常用の
螺旋階段を･･･


テンポ良く･･･
駆け上がる
拓弥の足音だけが･･･


薄暗がりの
不気味な空間に･･･


静かに･･･
響き渡って行く･･･。


いよいよ･･･


螺旋階段の
てっぺんが･･･
姿を現し･･･


益々･･･
気分が高揚する中･･･


勢いに･･･
拍車が掛かった
拓弥は･･･


不死身にでも
なったかのような･･･


自信に満ち溢れた
表情を浮かべ･･･


ご対面間近の･･･
喜多見の顔を･･･
想像しては･･･


グシャグシャに
塗り潰してゆく･･･。


『フッ･･･



そろそろ･･･
屋上だな･･･



喜多見のヤロー･･･


もう･･･
来てんのかぁ･･･？



つか･･･
怖じ気づいて･･･


屋上に･･･
現れなかったら･･･


マジ･･･
笑うよ･･･な･･･？


ククククッ･･･


まぁ･･･
せーぜぇ･･･


このボンド様が･･･


地獄に･･･
突き落として
やっから･･･


神にでも･･･
祈っとけよッ･･･！


アーメン･･･』


凄腕のスパイと･･･
リンクする事で･･･


見えない恐怖から･･･
現実逃避し･･･


テンションもMAXに･･･


春斗の忠告すら･･･
頭から
抜けてしまった
拓弥は･･･


ゾワゾワと･･･
体中の毛細血管が･･･
波打つ中･･･


屋上に繋がる･･･
螺旋階段の踊り場に
辿り着くと･･･


目の前の･･･
真っ黒な鉄の扉の
ドアノブに･･･
手を掛け･･･


何も勘繰らずに･･･


勢いよく･･･
その重たい扉を
押し開けた･･･。