
『幼なじみ』
第35章 威嚇
ガンッッ・・・!!!
『・・・ッ!!!』
夕方から・・・
槍のように・・・
降っていた・・・
灰色の雨も・・・
スッカリ止み・・・
月明かりが・・・
妖しく降り注ぐ・・・
クラブの屋上へと・・・
勢いづいたまま
飛び入った・・・
拓弥の下腹部に・・・
突然・・・
電光石火の如く・・・
凄まじい衝撃が・・・
一気に・・・
駆け抜ける・・・。
全く・・・
何が起きたのか・・・
訳が分からず・・・
パニック状態に陥る中・・・
鈍く重たい・・・
痛みの感覚が・・・
下腹部から・・・
全神経に伝わって・・・
来るのに・・・
然程・・・
時間は掛からず・・・
拓弥は・・・
悲鳴を上げる
ことすら・・・
出来ないまま・・・
朦朧とする
意識の狭間で・・・
うめき声だけを・・・
喉から絞り出し・・・
その場に・・・
倒れ込むように・・・
踞ってしまう・・・。
「ウグッ・・・ウゥッッ・・・」
眉間に・・・
深々とシワを寄せ・・・
過度に蝕んで行く・・・
痛みに
悶絶しながらも・・・
渾身の力を
何とか
振り絞った拓弥が・・・
無理矢理
首を上げ・・・
前を向いてみると・・・
薄暗がりに・・・
ボヤける
その視線の先に・・・
見も知らない・・・
ヤンチャを・・・
そのまま・・・
絵に描いたような・・・
まだ・・・
幼い面影を
残している・・・
ド金髪で・・・
ヒョロヒョロとした
少年が・・・
なんと・・・
1メートル程の・・・
長細い角材を
両手に抱え・・・
息を切らしながら・・・
拓弥を
見下ろすように・・・
仁王立ちしていた・・・。
