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『幼なじみ』

第36章  冷徹



そして・・・


少年サリーに
両腕の関節を
後ろ手にキメられ・・・


痛みに・・・
苦悶する拓弥と・・・


未だ・・・
全く動きを見せない
喜多見との距離が・・・


ジリジリと・・・
縮んで行くさ中・・・


諦めモード
全開になった拓弥が・・・


悲しげな表情で・・・
静かに目を瞑り・・・


物思いに耽りだす・・・。


『ハァ・・・


いよいよ・・・ダメかァ・・・




きっと俺は・・・


この・・・
ガラの悪い輩たちに・・・


半殺しに・・・
されるんだよなァ・・・?





アーア・・・


俺なんか・・・全然・・・
大した人間でも
ねーのに・・・


東京連合に・・・
少し関わったからって・・・


馬鹿みたいに
調子こいて・・・


意気がってよぉ・・・



結局・・・
挙げ句の果てが・・・


このザマ・・・かよ・・・?



情けねーよなァ・・・





アー・・・きっと・・・
適当に生きてきた・・・


バチが・・・
当たったんだな・・・





アー神様・・・


もう・・・絶対に・・・
良い人間に・・・
なりますんで・・・


どうか・・・どうか・・・



助けて下さいィッッ・・・!!』


完全に・・・
まな板の上の
鯉状態に陥り・・・


あたかも目の前に・・・
死の瞬間が・・・
訪れたような・・・


そんな・・・
恐怖のドン底に・・・
叩きつけられた
拓弥が・・・


引き吊る顔面から・・・


冷や汗を・・・
ダラダラと
流しながらも・・・


自分がこれから・・・
何をされるのか
一部始終・・・
見届けようと・・・


痙攣する瞼を・・・
無理矢理コジ開けた・・・


その瞬間・・・


目を細め・・・
此方を冷静に
見据えていた喜多見が・・・


全く・・・
慌てる素振りを
見せないまま・・・


ゆっくりと・・・
腕組みすると・・・


おもむろに・・・
その重たい口を
静かに開いた・・・。















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