『幼なじみ』
第36章 冷徹
「喜多・・・見さ・・・ん・・・
ス・・・イマセンッ・・・
コ・・・コイツ・・・
倒したと・・・
思ったん・・・スけど・・・
ま・・・まんまと・・・
起き上がって・・・来て・・・
で・・・
ちょ・・・ちょっと・・・
パ・・・パニクっちゃった
だけ・・・なんすよ・・・
つ・・・か・・・
と・・・とり・・・あえず・・・
お・・・俺・・・
消えた方が・・・
良い・・・ス・・・かね・・・?
マ・・・マジ・・・で・・・
ボコる・・・とか・・・
か・・・勘弁・・・して・・・
クダ・・・サイ・・・よ・・・?
ヘヘヘ・・・・・・?」
深々と腰を丸め・・・
薄気味悪い
笑顔だけを
此方に向けつつ・・・
命乞いしながら・・・
ワナワナと・・・
後退りを続ける・・・
とてつもなく
悲哀に満ちた
少年サリーを・・・
絶対に・・・
逃さんとばかりに・・・
鋭い眼光で・・・
睨み付けた・・・
タチの悪い輩たちが・・・
ジリジリと前進し・・・
追い詰めて行く・・・。
そんなさ中・・・
一先ず・・・
命の危険から
解放された拓弥は・・・
痛む両腕の関節を
気にしながらも・・・
その場で・・・
ホッと胸を・・・
撫でおろし・・・
決して手から
離さなかった
薬物入りの紙袋を・・・
今一度・・・
しっかりと
胸に抱えてみる・・・
が・・・しかし・・・
徐々に・・・
詰め寄って来る
悪い輩たちが・・・
あたかも・・・
自分に向かって
来るように
感じてしまい・・・
またしても・・・
目の前の脅威に
おののくと・・・
サリー同様・・・
ズリズリと・・・
後退りして行った・・・。