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『幼なじみ』

第36章  冷徹



すると・・・


静寂の闇の中で・・・


キリキリと
張り詰めてくる
緊迫した空気に・・・


あたかも突然に・・・
八つ裂きにされる
幻想に囚われた拓弥は・・・


自分の身を・・・
守るためであろう・・・


生まれ持った
父親譲りの・・・
攻撃的な性格が・・・


ふと・・・
舞い降りて
来てしまい・・・


途端に・・・
含み笑いを浮かべると・・・


まさに・・・
蛇に睨まれた
蛙のように・・・


縮こまる・・・
少年サリーを・・・


蔑んだ眼差しで・・・
見つめ始める・・・。


『フッ・・・


そこの・・・
可哀想な・・・
サリーちゃん・・・?





俺を殴った・・・
あん時の勢いは・・・


どこ行ったのよ・・・?




お前・・・
ひょっとしてさ・・・


小便・・・
チビってんじゃねーの・・・?


ククッ・・・




つーかさ・・・


マジ・・・
逃げてねーで・・・


さっさと・・・
殺られちゃえば・・・?




クククッ・・・』


ほんの少し前まで・・・


自分も・・・
迫り来る恐怖に・・・


散々たる
情けない顔で・・
チビりかけていたにも
係わらず・・・


そんな・・・
チンケな過去は・・・
一瞬にして
かなぐり捨て・・・


呑気に・・・
調子に乗りまくる・・・


ある意味・・・
素晴らしく
プラス思考な・・・
大バカ者の拓弥は・・・


自分にもまだ・・・
何が起こるか
分からない・・・


この・・・
お先真っ暗な状況下で・・・


未だ・・・
ジリジリと・・・
後退りを続ける
少年サリーを・・・


心の中で・・・
熱烈に罵倒した挙げ句・・・


更には・・・
鼻息も荒げ・・・


ここぞとばかりに・・・
ふんぞり返った・・・。















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