
『幼なじみ』
第38章 混乱
そろそろ・・・
夜が明けそうな
仄暗い空の下で・・・
喜多見に・・・
まさかの・・・
どんでん返しを
喰らった拓弥は・・・
生気を抜かれ・・・
暫く・・・
ボーッと・・・
空を見上げている・・・。
ふと我に返り・・・
衝撃的な現実を
直視した途端・・・
凝り固まっていた
脳ミソが・・・
漸く動き出し・・・
混乱する
拓弥の頭の中を・・・
徐々に・・・
整理し始める・・・。
『ハァ・・・
この・・・ブツ・・・
売っちまう・・・って
確かに・・・言ったよな・・・?
喜多見主催の・・・
いかがわしい
パーティーで・・・
このブツ・・・
使うんじゃ・・・
な・・・なかったのかよ・・・?
じゃぁ・・・
この俺は・・・一体・・・
春斗の兄貴に・・・
なんて・・・
報告すりゃいーんだ・・・?
しょ・・・正直に・・・
いっさいがっさい・・・
春斗の兄貴に・・・
話したところで・・・
【テメェ・・・
元々・・・そのブツ・・・
喜多見とツルんで・・・
赤の他人に・・・
流すつもり
だったんだろッ・・・?!
ぶっ殺すぞッ・・・!!】
って・・・
張り倒されてよ・・・
ま・・・間違いなく・・・
お・・・俺は・・・
マグロ漁船で・・・
外国に・・・
売られちまうだろーがッ・・・
クソッ・・・
ど・・・どうすれば・・・
春斗の兄貴に・・・
信じて・・・
もらえるんだ・・・よ・・・
チキショーッ・・・』
答えの出ない
自問自答を
繰り返すさ中・・・
この直面で・・・
今は・・・
絶対に
思い出したくもない・・・
般若のような
春斗の兄貴の顔面が・・・
目の前に・・・
浮かび上がり・・・
余りの恐怖で・・・
酒にまみれた
酸っぱい胃液が・・・
ググッと食道へ・・・
沸き上がってしまった
拓弥は・・・
気持ち悪さに・・・
耐えきれず・・・
とうとう・・・
その場で・・・
勢いよく嘔吐した・・・。
