テキストサイズ

『幼なじみ』

第38章  混乱



すると・・・


そんな唐突に・・・


水のような・・・
胃液を吐き出した
拓弥の異変を・・・


目の当たりにし・・・


流石に少し・・・
戸惑ったのか・・・


珍しく・・・
バツの悪そうな表情を
浮かべた喜多見が・・・


苦笑いを・・・
携えながら・・・


これみよがしに・・・
宥めて来る・・・。


「フッ・・・


おい・・・おい・・・



拓弥・・・大丈夫かァ・・・?


しっかりしろよ~






まぁ・・・
お前もな・・・?


キッチリ・・・
仕事してくれた訳だし・・・


サツ(警察)には
捕まんねーように・・・


ブツの指紋・・・
拭いといてやるから・・・


そう・・・
心配すんなって・・・!






それに・・・
ここだけの話・・・


お前がもし・・・


東京連合に・・・
入りたいって
言うならさァ・・・


俺が・・・
口利いてやっても・・・
構わねーから・・・




な・・・?





とりあえず・・・


もう・・・いいよな・・・?





拓弥・・・?


そのブツ・・・


貰って行くから・・・な・・・?」


警察に・・・
捕まる未来を
恐れる余り・・・


拓弥が・・・
嘔吐したのだと・・・


勝手な・・・
思い違いをした・・・
喜多見は・・・


地面に・・・
項垂れたままの・・・
弱り果てた拓弥に
つけこむように・・・


似非(えせ)の
優しさを垣間見せ・・・


その場しのぎの・・・
嘘っぱちな恩情を
並べ立てて来る・・・。


そして・・・


これ以上・・・
面倒な事になる前に・・・


さくっと・・・
ブツを手に入れ・・・
ズラかりたいのだろう・・・


未だ拓弥が・・・
死んでも離さんと
ばかりに・・・


しぶとく・・・
抱え込むブツに
狙いを定めると・・・


なに食わぬ顔で・・・


ジリジリと・・・
拓弥の足元に・・・
近付いて来た・・・。















ストーリーメニュー

TOPTOPへ